そう。
局とプロダクションはイコールパートナーと持ち上げられても実際はイコールパートナーなんかではない。
局は番組を選んで放送できるんです。「イコールパートナーというなら、もっとプロダクションに権利を認めてほしい」と言い続けないと立場は変わりません。
僕が制作会社をスタートさせる時の方針に「見込み制作だけは絶対にやらない」というのがあります。
いろいろ番組をつくっていると、どうしてもやりたい企画がでてくるものです。放送の枠が決まっていないのに「今やっとかなくては」と見込み制作する誘惑に負けそうになるけど、僕はやらなかった。というのも僕の親しいプロデューサーが見込み制作をして会社を倒産に追い込んだのを見ているからなんです。小型のビデオテープレコーダーが開発されて話題になった頃の出来事ですが、新しい手法で海外ドキュメンタリーをつくるという企画が通り、ネパールへビデオテープレコーダーをかついで取材に出かけた。ところが、予想以上の熱気と湿度で機材が動かずフィルムで撮影して帰国したんですが、ビデオでないと意味がないと納品拒否されて大赤字。それが引き金になって会社は倒産したというわけです。
局のプロデューサーは、いい企画をOKするだけでなく、納品拒否という権限も持っているということに気がついた。そういう事態を引き起こさないためにどうすればいいか。番組は局のプロデューサーと一緒につくっているんだと思うだけではダメで、現場でひとつひとつ局のプロデューサーに確認をとりながらつくる。別の表現をすれば、局のプロデューサーをいかに番組に引きずり込むか、これが制作プロダクションの番組づくりで納品拒否にあわないポイントだと教え込みながら30年やってきた。
第1世代の私達はこうした体験を第2世代にうまく受け継がしてリスク回避をしなければいけないと思っていますし、それを組合の場でいろんな形でやっていきたいですね。